北海道ガーデン街道

年齢のせいでしょうか、時々携帯電話の誤操作で、間違い電話をかけることがあります。9月29日(火)の午後もそうでした。電話の向こうで「ヤハタさん久しぶり、コロナで大変でしょう。九州の景気は如何ですか」との声で、しまった間違えたと気付きました。電話の声は北海道帯広市に、本社と工場を構えるお菓子メーカー、六花亭製菓(株)前社長小田豊さんです。現在は2年前に社長の座を息子さんに譲り、同氏は六花亭食文化研究所を立ち上げ、所長として蔭から六花亭を支えています。その日、思いがけなく小田社長の声を聞き、いろんなことが想い出されました。
小田社長と知り合い、お付合いがはじまり20数年が経ちます。2008年頃に、倉本聰氏の脚本で、家族の物語そして人の生と死を描いたテレビドラマ「風のガーデン」が何回かに分けて放映され人気ドラマとなり大きな話題となりました。そのテレビ撮影の舞台となったのが、富良野市にある新富良野プリンスホテルの敷地内に造られたガーデンです。
その後、2010年に北海道を代表する庭園が協力し、観光を目的に「北海道ガーデン街道」がスタートしました。旭川、富良野、十勝を南北に結ぶ全長約200キロの街道で、その街道沿いに7つの立派な庭園があります(当時)。どこも個性豊かで、見どころも満載です。北海道観光の大きな目玉となり注目のルートとして冊子に掲載されているのを読んで、そこに行ってこの目で確めたくなりました。その7つの庭園のひとつに「六花亭製菓」がつくった庭「六花の森」もあります。『十勝・中札内の広大な広々とした大地の中で、六花亭の包装紙に描かれた「十勝の六花」が実際に咲いているところが見られます。丘陵地を利用し、滔々とした川の流れに沿って咲くエゾノリュウキンカ、林にはカタクリやエゾエンゴサク。ここには、十勝の美しい自然そのものがある。』このように解説されていました。益々行って見たくなり、小田社長に電話を入れると「是非お越し下さいお待ちしています」との返答でした。
そして、その願いが叶い9年前の2011年6月22日(水)江田亮一君(当時渉外担当)と私が最も尊敬の念を抱く大分市の首藤哲男氏((株)ホームワイド創業者)を誘い3人で北海道を訪れました。日本航空306便9時発で羽田空港へ、そして北海道便へと乗り継ぎ「とかち帯広空港」に午後1時半ごろに着きました。その後、レンタカーで200キロ先の旭川をめざします。
途中、新富良野プリンスホテル敷地内の「風のガーデン」を視察、散策です。園内の売店で売られていたソフトクリームとあんパンをお客さんが美味しそうに食べているのをみて、下戸で甘党の首藤さんが食べたそうにしているのを感じ、三人で買って食べることにしました。どちらかといえば甘い物は苦手な私ですが、北海道の大地で食べる、あんパン、ソフトクリームは、また格別な味でした。
「風のガーデン」のテーマソングを人気歌手の平原綾香が歌いヒットソングとなっていましたので記念にCDレコードを3枚買って出ました。車で走る途中に六花亭経営の観光ブドウ園「カンパーナ六花亭」が眼前に大雪山系を望む絶好の眺めの良い丘陵地帯に広がっています。園内にはレストランと売店もありましたので立ち寄って見学しました。再び車で走りながら九州とは異なる雄大な北海道の大自然を満喫しながら旭川へと向かいます。
次号につづく

「風のガーデン」ドラマで使われたグリーンハウスと花庭