農協は地域で何ができるか
令和4年NPC9月号組合長エッセイ
農協は地域で何ができるか
先月26日(金)早朝5時30分より金光教中大山教会に於いて、鎌手支所移転新設開所のお礼と、これからの業務が農家・組合員、地域の皆様方のお役に立ち、繁栄と地域活性化の原動力となれるように、祝詞を上げ祈願し御祓いを済ませ、6時10分より新設の鎌手支所に於いて御祓いと玉串奉奠の神事を行いました。出席者は地権者、各種団体と地域の代表者、工事施工関係者約50余名です。来賓として河野圭史県西部振興局長、原田啓介日田市長にご臨席を賜りました。主催者は、大山町農協とミニストップ(株)です。ミニストップ(株)藤本明裕代表取締役社長も千葉県の本社より来られました。そして6時30分からの式典を終え7時に開店オープンをいたしました。
三年前の令和元年五月十日の夜に鎌手支所地区の農事主事さん15名が出席して、「木の花ガルテン・咲耶木の花館」で懇談会を行いました。その懇談の席で、地域に密着した支所運営と、営農体制の強化や生活サポート事業の充実をするために、鎌手支所の移転新設の強い要望が上りました。大山町農協が設立創業したのが昭和23年4月です。そして鎌手支所が開所されたのが昭和27年です。また昭和37年に給油所を開設し、梨や鶏卵などの集出荷、選果場も増設しています。その後、昭和50年に行政と農協と地域が一体となり支所の木造建築が解体され近代的(当時)な鉄筋コンクリートの建築となりました。一階に農協支所が入り、二階は清流地区コミュニティセンターと鎌手集落公民館となったのでした。しかし既に築47年が経過し、来客用の駐車場も国道を隔てた向かいにあり横断が大変危険でありました。しかも狭く数台しか駐車できません、そのようなことから移転新設の要望が上ったのでした。農家・組合員、地域の住民に応えるためには、どのような業務内容と、又どの程度の規模と建物が必要となってくるか。それらによって場所と土地の面積と土地譲渡、建設の資金調達等の議論を交わしながら移転開設計画が始りました。当初は清流地区コミュニティセンターも一緒に移転併設で計画しました。そして地区関係者が地元に持ち帰り検討を重ねていただきましたが、地区拠出資金等の関係で移転は無理となり支所事務所跡を利用する方向で現在検討中です。
今回の事業では、解決せねばならない三つの大きな課題がありました。一つは、移転用地の確保でした。計画が始ったころには、国道212号線の響トンネルバイパス工事が進められていて、その沿線に移設をするのが最適であると用地交渉をすすめましたが、交渉は二転三転と難航しました。そして最終的には、三名の土地所有者が地域活性化のお役に立つのであればと、心よく用地の提供に賛同していただきました。用地提供の三名を紹介します。アメリカ、ニュージャージ州在住の矢幡一成様と町内の農家組合員の河津信義様と矢幡正成様です。この三名の方より国道に面した約七千平方メートル(2,120坪)の面積の譲渡をいただきました。大切な農地の提供をいただき感謝とお礼を申し上げます。今回の事業では、この方々をはじめ多くの皆様方のご支援とご協力があり幾多の難問題も乗り越えて無事に移転新設開所の日を迎えることができました。
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移転新設した鎌手支所