山の幸・川の幸
日田漁協(手島勝馬組合長、300人)と包括的経済連携協定を結んだのが平成30年6月27日(水)でした。日田漁協は筑後川水系の三隈川、大山川、玖珠川の河川を管轄して、鮎や鰻、山女といった川魚の養殖や稚魚の放魚など行ったり川魚を漁獲する組合です。近年は漁獲量が不安定となり組合員も減少していました。そんな中で、木の花ガルテンでは土曜、日曜、祭日に、店頭で鮎の塩焼きなどして共同で販売していました。また、福岡市や大分市等の取引先のイベントにも一緒に出店をして販売していました。ある催事の反省会を木の花ガルテンで関係者数人で開き、酒の席となり歓談の中で私は、手島組合長に「海の幸、山の幸という言葉は、よく聞きますが川の幸、山の幸という言葉は聞いたことはありません。川の漁協と山の農協が手を組んで新しい産品開発をしてみませんか」と提案しました。すると手島組合長は「おもしろい是非ともやりましょう」と即答でした。手島組合長も組合員が減少する中で収入増に向けた加工品の開発に力を入れようと考えていた矢先だったようです。大山は昭和47年に農産物加工に取り組み、多種類の製品を生産加工販売している実績があります。販路についても取引する県内外の百貨店、スーパー、ホテル、生協、お土産品店など、そして直販の木の花ガルテン10店舗と、多岐にわたり存在しています。このようなことから、農業者と漁業者の連携協定により新しい魅力ある産品が生れ、ビジネスが広がることを期待したのですが中々すぐには開発がすすみませんでした。そのようなことで私は、淡水魚加工販売では日本で最も先進地である、滋賀県の琵琶湖の淡水魚加工販売をみて何かのヒントを得たいと考えました。そして当時、大山に関心を持って何度も訪問していただいていました、黒田秀郎副知事さんに話をしましたところ「ヤハタさん私も一緒に同行しますから行きましょう」と言っていただきました、3年前のことです。そこで私は以前より交流してました滋賀県大津市の叶匠寿庵に連絡をして同県水産課の上垣さんを紹介していただき視察訪問を計画しましたが残念なことにコロナ感染拡大で延期となってました。そんな中、今年6月に黒田副知事は派遣元の厚生労働省に帰任されたのです。黒田副知事は厚労省の上級職の方でしたので、大山の取り組んでいた「地域集落文産農場」には特に感心を持たれ、何度も訪れて下さいました。そして高齢者の福祉の有り方、施設の機能や役割等について鋭い質問を数多くされてました。この高齢者の生きがいと、公的年金プラス文産農場で働く給与所得で、安心して豊かな老後を楽しめるように始めた活動を厚労省にも紹介したのでした。このことで同省の大島内閣官房事務局長をはじめ数名の幹部の方々が視察に来ていただきました。
このように人との出会いによって仕事も導かれていくことの大切を学ばせていただきました。感謝の思いでいっぱいです。更にご縁が続き、琵琶湖淡水魚加工の視察が実現していきました。
次号に続く