令和5年組合長エッセイ2月号

琵琶湖の淡水魚料理

12月号の続きです。黒田秀郎副知事が派遣元の厚生労働省に帰任され、後任の副知事は同省の吉田一生氏でした。着任と同時に大山にも来訪くださり、歓談の機会があり、淡水魚加工の経緯を説明すると、「黒田前副知事より引継を受けています。幸い今の滋賀県副知事は私の後輩です。私から連絡をとってみます。」との返答でした。そして、11月15日(火)と16日(水)の一泊二日で吉田副知事、河野県西部振興局長、熊野係長と手島漁協組合長、私の5名での視察が実現しました。日田発早朝6時の高速バスに乗車し、博多駅発8時15分新幹線のぞみ12号で京都駅へ。その後在来線に乗り換え守山市にある「JAファーマーズマーケットおうみんち」に12時頃に着きました。いよいよ3年の間、思いを馳せてきた期待される琵琶湖淡水魚加工の視察研修がはじまります。滋賀県農政水産部の方々やJAレーク滋賀の農協組合長・常務他幹部の方々の出迎えを受けての視察対応です。世界農業遺産に認定された、森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖の恵まれた環境システムの説明をうけ、同所で大山を視察して開設したというビッフェスタイルのレストランで昼食です。レストランでは、農産品と湖の淡水魚が多数料理され大皿で提供されてました。その後、湖の中にある沖島というところに船で渡り沖島漁協組合長の話を聞きました。他に佃煮会社や淡水魚水族館など視察しました。そして夜は先に訪問した沖島出身の漁師さんとの繋がりがあるご夫妻の調理する店に入り、琵琶湖で捕れた多種類の新鮮な魚の郷土料理でした。そこに大杉滋賀県副知事、宇野農政水産部長、中田次長などが参加して琵琶湖を話題にしての懇談夕食会となりました。翌日も同県の案内を受け、県立水産試験場を視察したあと、木村水産(株)を訪問して県淡水魚組合長も兼務している木村会長の幅広い蘊蓄のある話をお聞きして大変参考になりました。そして最後に米原市の山中にある明治11年(1878年)に琵琶湖の固有種ビワマスの増殖を目的に設立された県立醒井養鱒場を視察しました。ここはビワマスをはじめとするマス類の養鱒事業を今日まで一度も途切れることなく継続している、日本最古の養鱒場と説明を受けてビックリです。豊富な清流水と広い面積と施設の中には、子供たちの餌やり、魚すくい、釣り体験の遊び、ふ化場やビデオの視聴といった学びの場、そして清流で育った魚を食べられるレストランなど備えていて、子供会旅行、体験学習、慰安旅行には最高の場となっているようです。環境に恵まれた地をうまく設計利用して今日まで続けられていることに心を打たれました。時間もなくここのレストランに魚料理を予約していたので30分間の駆込み昼食して、帰路は米原駅12時45分発のひかり639号に乗車し今回の全行程を終えました。足早の強行視察となりましたが、おおくの実践者と経験豊富な方々にお会いできて貴重なお話を拝聴でき、現場を見せていただきました。朧げながら「山の幸・川の幸」のヒントを得たのではと思っています。早々に一億円を超える産品づくりに取り組んでまいります。

自然の麗姿そのままにあゆの姿煮