令和6年組合長エッセイ7月号

タスクセンター構想への道

 先月号「余暇を求めて週休三日の農業」の続きです。重労働の貧しかった農業から、苦痛を伴わずに快適に農作業を行い、しかも安定した農業収入が得られる農業・農村へと歩き出したのが昭和36年(63年前)でした。お互いに夢や希望を語り合いながら、農村の理想郷づくりに皆で邁進してきたと思ってます。週休三日でつくり出された余暇の時間を使い、旅をしたり歌ったり踊ったり、読書や料理と、なんでも好きなことをして、楽しみながら自分づくりをしてもらいたかったのです。所得をもう少し上げたい、仕事を増やしたい、しかし仕事を増やせば増やすほど、所得は増大するが、それだけ労働も重みます。過多労働になる心配が出てきます。その心配を解消するため、労働の手助け応援をする「タスクセンター」(TASK―仕事・作業。CENTER―中心・中心施設)という名称の人材バンク的なものを農協の中に設置しました。タスクセンターは農協施設内に出荷農産物の包装作業をする部署をつくり選果、選別、包装作業の応援をします。農家が急に用事が入り仕事ができなくなったり、天候などの条件で収穫作業が増した場合に、タスクセンターに要請すれば応援隊が派遣されるといったものでした。早く言えば、役割分業をするということです。週休三日の農業で、余暇時間をつくる提唱をした以上、何とかそのことを実現したかったのです。午前中に仕事を終ることを条件にして、より多く農業をやりたい、より多く所得を取ってもらいたい、そのためのタスクセンター構想でした。収穫した農産物をタスクセンターに運び込むまでが農家の仕事です。包装、選果、選別等はタスクセンターの常勤・パートの方々で行います。パートの方々は農協の送迎用の車で出勤・帰宅をします。子供が学校から帰った時に、親が家庭に居ることは大事なのでパートの方も4時間労働を原則としました。しかしこの構想も諸条件が重なり今は自然消滅となってます。ただ大山の農業従事者も高齢化してきてますので、何とか復活をしなければと考えています。いま農協のえのき茸栽培にベトナムより25名の外国人研修生が3年間契約で訪日し、農協の宿泊施設に住んで仕事をしていただいています。この方々をタスクセンター方式で、要請のあった農家に派遣して作業の応援をしていただくことを考えました。許認可先の国や県に相談しましたが、現行の法令の中ではむずかしいとの回答でした。そんな中で先日、北海道の洞爺湖農協の組合長と役員の方々10余名が大山に視察に来られました。そして外国人研修生のことが話題となり、その件を話したところ、「洞爺湖農協では農家に派遣してますよ」との回答で「先端を走っている大山でも遅れたところがありますネ」と得意気に励まされました。よく聞けば洞爺湖では研修生として受け入れているのではなく、全員を職員として採用しているとのことでした。なるほど大山も全員を職員として雇用すれば解決できると確信しました。但しそのためには、もうすこし勉強が必要です。「特定技能雇用契約」という法令の壁があるようです。大山農業の更なる飛躍と発展のためには避けてはならない道でしょう。

都築工場で作業する外国人技能実習生