学び継がれる心の時代
令和5年組合長エッセイ10月号
先月号の「朝の言葉」のつづきです。朝の言葉は金言・格言・金句・箴言とあるようにどの語句にもあてはまるのではないでしょうか。
金言・・・古人の残した模範となる尊い言葉。
格言・・・深い経験を踏まえ、簡潔に表現したいましめの言葉。
金句・・・美しい句、古人の残した模範となる言葉。
箴言・・・いましめとなる短い句。
昭和36年に朝礼のこの「朝の言葉」が生れたとすれば、あの歴史に残る大山の出来事が記憶に蘇ります。それは、「貧しい農村の生活から一日でも早く脱け出しましょう」と始まった梅栗運動と同じ年だったということになります。貧しかった大山の農村経済を一大改革して、モノも心も豊かなそして夢や希望に満ちた農村の暮らしに変えていこうという遠大な運動の中で、農協で働く人の心も一緒に耕していこうと始まったのだと思います。これまで農協に職員として入所して勤務し退職していった方々は約350名です。それ以外に契約職員や現場職員として勤務された方々を合わせれば倍以上の800名ぐらいになるでしょう。それだけ大多数の職員の人がこの「朝の言葉」を一緒に復唱したと考えれば感慨無量です。そして昭和40年代に入ると朝の言葉を復唱する前に、一人ひとりが配列の前に出て自分の考えや主張、問題意識を人前で上手に話ができるようにと、一分間スピーチを行います。一分間スピーチができるようになれば、次は二分間、三分間へと時間を伸ばして人の前でうまく話のできる訓練をしました。課題を想定しスピーチの内容を組み立て、人前で理解しやすく話をする。今のようにネットワークが隅々まで張り巡らされ充実した時代ではなかったので先人の方々は、このようにお互いの仲間同士で心を耕し、自分を磨き、人間力を高めてきたのです。いま大山農協の業務は村の中で農家組合員、地域の方々と接するだけでなく小さいけれど総合商社以上に多岐に渉る業務体制となっています。そのため国内はじめ海外との商品取引や情報の交流などあります。そのような情況の中で特に相手様に興味や関心を、更に好感を抱いていただくことも大事です。そして厳しい時代こそ夢を語ることを忘れてはならないと思います。夢こそいつの時代も多岐に渉ると思います。個人の夢、家族の夢、仕事の夢、組織の夢、地域社会の夢があり、また将来実現したい願い理想など様々でしょう。
前にも触れたと思いますが、治美組合長が語っていたのは、『田舎者のお前達が一流のお店や商社など取引先を訪問して産品を売り込もうとしても、先ず相手にしてもらえないだろう、だから「モノ売りはせず」に大山の農業者の生活や、モノづくりの心、今はこのような取組みを村全体でしています、これから大山は、このように変わっていきます。というような将来の夢や希望を語って「大山の心を売り」そのまま帰ってきなさい、それを何回か繰り返していると相手様は、おもしろい村だと興味を持って必ず取引へと繋がっていく。』このように断言して教示していました。
倫理・心・愛を求めた「職場の教養」大山独自で60数間年続けている「朝の言葉」は夢を描く一歩ではないでしょうか。皆んなで大きな楽しい素敵な夢を描きましょう。
心を耕す木の花ガルテン生産者交流会